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『戦後80年 戦跡巡りツアー』に参加しました!

先日、とまとスタッフのみんなで、沖縄中部の戦跡を巡る一日バスツアーに行ってまいりました!

 

ガイドは“伝説のガイド” 糸数慶子さん。

これまでの平和学習や戦跡巡りとは一味違う、「わした島・沖縄」を感じる旅になりました。

巡った場所を順に、私なりの感想とともに綴ります。

 

① 渡久地ビーチ(読谷村)

 

ここから、米軍が上陸を開始したという場所。

私たちの旅もここからスタートです。

 

近くにBBQエリアがあったりなんかして、遊泳スポットとしても人気なこの青く穏やかな海も、かつて戦場だったという事実。。。

 

② チビチリガマ(読谷村)

 

避難してきた143人のうち、約80人が犠牲になったというチビチリガマ。

米軍に対する「捕まったら死ぬよりひどい目にあう」といった誤った情報を信じ、多くの住民が自決を選んでしまったそうです。
特に子どもが多かったという話が胸に刺さりました。

 

帰り際、ガマに向かってみんなで手を合わせた際には、

“歴史を忘れず、幸せに生きていきます”

と心の中で唱えました。。。

 

③ 恨の碑(読谷村)

 

沖縄戦で犠牲になった朝鮮人を祀る「恨(ハン)の碑」。
 

糸数さんのお話では、彼らは「高待遇で仕送りもできる」という甘い誘いで沖縄に来たものの、実際は劣悪な環境でまともな食事も与えられず働かされたそうです。

 

空腹のあまり畑の芋を食べたところ、「盗んだ」と住民に密告され、銃殺されたという話もありました。
“地元民は被害者であると同時に、加害者でもあった”という言葉が胸に残り、戦争の罪深さを感じました。。。

 

④ シムクガマ(読谷村・波平)

 

ここは、約1000人程の避難者が、米軍の捕虜となったことで助かったというガマです。

前述のチビチリガマとの違いは、「情報の正誤」が大きかったという話。

 

つまり、どの情報を信じるか/どんな判断をするかが、命を左右したということです。
「情報」ひとつで運命が変わるというのは、今の時代にも通じることで胸に残りました。

 

⑤ 佐喜眞美術館(宜野湾市)

 

画家の 丸木位里・ 丸木俊 夫妻による連作『沖縄戦の図』が常設展示されている美術館。

体験者の証言をもとに描かれた作品で、絵画を通じて「地上戦」をリアルに捉えようというメッセージが込められています。


白・黒・赤のみで描かれた絵に囲まれると、これまでの“学び”としての戦争とはまた次元の違う体感が芽生えます。

息づかいや匂いまで伝わってくるような、深い思いが込められた作品に圧倒されました。

 

 

⑥ 嘉数高台

 

この高台は、沖縄戦においてもっとも激戦地と言われ、多くの犠牲者を出しました。

地元民、京都人、朝鮮人それぞれを祀る塔(京都の塔、嘉数の塔、青丘の塔)が並び、失われた命の数に思いをはせました。。。
 

眼下に広がる普天間基地。

一見、基地周辺の街並みが作られたように見えるため、「基地の周りに街ができた」という説もあるようですが、実際には元々集落があった場所に基地ができたのだそうです。

 

⑦ ハクソー・リッジ(前田高地/浦添市)

 

メモを取り忘れた部分だったので、後で調べたところ、通称「ハクソー・リッジ」(英語名:Hacksaw Ridge)、正式には前田高地/前田の断崖で、約120メートル以上の断崖を米軍が登ったという信じがたい戦いの舞台でした。

 

米軍の攻撃と日本軍の頑強な防衛がぶつかり合った場所で、急勾配な地形ゆえに戦車も満足に使えず、兵士たちが自力で登ったという記録があります。
 

このごく普通の静かな公園が、あの映画で見た戦場なんだよなぁ…と何とも言えない気持ちになりました。

 

ツアーを終えて…

 

学生時代、平和学習などで学んだつもりだった沖縄戦。

当時は正直「ショッキング映像を見せられる時間」という認識で、とても辛かったことを覚えています。

 

大人になった今、こうして現地を巡り、糸数さんのナビゲーションでリアルなお話を聞くと、「人生」や「社会」、「善悪」といったことについても深く考えさせられました。

 

犠牲者の方々の人生、体温のようなものがすごく近くに感じられて、心がずーん…となる旅でしたが、それ以上に貴重な経験で、自分も「戦争について正しく伝えられる人」にならなくては、と思いました。

 

沖縄という場所には、愉快な観光地、綺麗な海、独自文化の陽気な島…などいろんな顔があります。

個人的には、沖縄を好きになる人が「楽しい面」だけを見てくれても良いと思っていますが、

でももしも、本当にこの地に魅力を感じてくれるなら。。。

悲喜こもごもある歴史を知ることによって、また違った“沖縄”が見えてくるかもしれません。

 

戦跡巡りに興味のある方は、ぜひ糸数さんのバスツアーへご参加されてみてください。

ガイドひとつで、見えるもの・感じるものが全く違ってくると思います!